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わが国でも近頃は、12月になるとクリスマスの飾りやイルミネーション、また多彩なイヴェントが至る所で目に付くようになる。クリスマスのキリスト教本来の意味と関係なく行われている。しかし、キリスト教国では、その様子は国によって少しずつ異なるが、復活祭とともに降誕祭(クリスマス)は、重要な行事である。 今回は、J.S.バッハのクリスマス・オラトリオBWV248を紹介し、ドイツにおけるクリスマスの雰囲気を味わ得たらと思います。 オラトリオについての詳しい説明は、省かせてもらいます。簡潔に言うと「宗教的音楽劇」。独唱・重唱・合唱・オーケストラ等で演奏会形式で上演される。ラテン語のオラツィオ(Oratio)の「祈り」が語源とされる J.S.バッハの「クリスマス・オラトリオ」は、通常の「宗教的音楽劇」とは異なり、実際は6曲の「教会カンタータ」から成っている。「教会カンタータ」は、プロテスタント教会の礼拝で演奏される楽曲のことです。ご存じのようにバッハは、ルター派のプロテスタントの信者で、1723年から死の年の1750年まで仕えたライプツィヒの聖トマス教会の日曜ごとの礼拝でのカンタータを演奏することが大事な務めの一つでした。以前のヴァイマール時代他を含めて200曲に及ぶ「教会カンタータ」が現在残されている。これは、バッハの宝石箱のような珠玉の200曲と言える。是非時間をかけて聴いてみてください。 さて、「クリスマス・オラトリオ」は、前述のように6曲の教会カンタータで成っています。バッハがライプツィヒ12年目の1734年12月25日から1735年1月6日の間、聖トマス教会と聖ニコライ教会の礼拝で1曲ずつ6日間で初演された。 第1部が12月25日(降誕節第1日)、以下第2部12月26日(降誕節第2日)、第3部 12月27日(降誕節第3日)、第4部1月1日(御子の割礼と命名の祝日)、第5部1月2日から5日の日曜礼拝(1735年は2日だった)、第6部1月6日(顕現節)のように演奏された。このように6曲が6日間に分けて礼拝で演奏されるが、イエス降誕の物語をルカ福音書およびマタイ福音書をテキストとして進行している。また、ニ長調を主調として歌曲の調性がくまれていることなどから、全体の統一が図られていてまとまった「クリスマス・オラトリオ」と呼ぶことができる。次に印象深い部分をかい摘んで説明します。 第1部クリスマス第1日「歓呼せよ、この良き日を」 これは、十字架による勝利の王が私たちに約束される喜びの音楽である。華やかな中に、厳かで敬虔なクリスマスの雰囲気を与える。第4曲オーボエ・ダモーレを伴うアルトのアリアは、救い主を迎え入れる準備を促す魅力的です。また第8曲バスのアリアは、トランペットを伴い力強く華やかに、偉大なる王・強き王を歌う。 クリスマスの最後飾るに相応しく第1部同様3本のトランペットを伴った華やかな賛美の合唱で開始される。そしてここでも第8曲のあるとのアリアが印象的である。御子誕生の奇跡対するマリアの内省的なアリア。 以上が簡単なJ.S.バッハ「クリスマス・オラトリオ」の紹介です。是非お楽しみください。最後にもう1曲クリスマスの雰囲気のある曲を紹介しておきたいと思います。それは ベルサイユ宮を中心に活躍したM.A.シャルパンティエ(Marc-Antoine Charpentier)の作曲した「真夜中のミサ曲」(Messe de minuit)です。J.S.バッハより半世紀ほど前に活躍した人で、このミサ曲はフランスのノエルを主題に用いた素朴なクリスマスの音楽を感じさせる曲です。これも是非お聴きください。 |
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| オンケン 音楽顧問 伊賀美 哲[いがみ さとる] 国立音楽大学声楽科卒業。波多野靖祐、飯山恵己子諸氏に師事。現在、田口宗明氏に師事。指揮法を故櫻井将喜氏に師事。1982年、第7回ウイーン国際夏季音楽ゼミナールでE.ヴェルバ、H.ツァデック両 教授の指導を受ける。1985年フィンランドのルオコラーティ夏季リート講座で、W.モーア、C.カーリー両教授の指導を受け、その後W・モーア教授にウ イーン、東京で指導を受ける。1986年から毎年、リートリサイタルを開催、シューベルトの歌曲集「冬の旅」、「美しい水車小屋の娘」、「白鳥の歌」、 シューマンの歌曲集「詩人の恋」等を歌う。千葉混声合唱団では、ヘンデル「メサイア」、モーツアルト「レクイエム」、J.S.バッハ「ミサ曲ロ短調」「マタイ受難曲」などを指揮する。現在、千葉混声合唱団、かつらぎフィルハーモニー指揮者。 |
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